こういった何気ない動きも実に上品で、憂い漂う独特のタンゴの曲調を一層引き立て魅了させる。
演技冒頭の怒涛のジャンプを忘れさせるほど、彼女の一つ一つの動きが洗礼されており、見る者全てが彼女の世界に引き込まれていく。
そういえばどこかの国の解説者が「彼女はジャンプだけで表現力がない」とくだらないネガティブキャンペーンをしていたが、もし俺が側にいれば「彼女の表現力に貴方がついていけていないのでは?」と切り返していただろう。
演技力=表現力ではない。たった一蹴りの滑りで観客を魅了させるのが真の表現力だ。
ほんと、末恐ろしい小娘だ。
右足を前に振り上げて跳び上がり、そのままシットスピンに体制に入る。
デスドロップと呼ばれるレベル要素の一つ。そのまま腰を深く下げて、左足を伸ばしたまま上半身をピッタリとくっ付ける。
前傾のシット。通称キャノンボールスピン。
その体制を維持したまま八回転回り切り、フリーレッグを軸足の膝上に乗せてパンケーキスピンに移行。
難しいスピンの入り方(デスドロップ)難しいポジションを二つ(キャノンボール・パンケーキ)そして同一姿勢で八回転以上。


