starlight






----------*.圭吾.*----------





開いたドアの方を見ると、

そこには葵が呆然と立ち尽くしていた。

やべっ......

俺はすごい勢いで咲を払いのけると、

背を向けてリビングから

出て行こうとする葵の腕を掴んだ。

「葵!!待てって」

「離して!!」

「待てって...誤解だから」

「離してよ......」

葵は背を向けたまま、

こっちを向いてくれない。

...泣いてる。

掴んだ冷たい腕が、

小刻みに震えている。

払いのけられた咲は、

不満そうに葵をジロジロ見ている。

「葵...こっち向いて。
 話聞いて。」

「...離して」

「聞いて?こいつは
 咲っていって元彼で...」

「先生の話なんか聞きたくない...」

「葵っ...頼むから、聞いて?
 確かに俺も悪かった。けど...」

「別れて...」

「.......え?」

「別れて、先生」

「待ってくれよ。誤解なんだって」

「別れて......」

「葵......」

「先生、今までありがと」

葵は最後に涙で濡れた頬を持ち上げて、

弱々しく俺に笑いかけた。

立ちすくむ俺に背を向けて、

葵は出て行った。