「ごめん...俺が帰れって言ったのは、
葵が嫌いだからとかじゃないから。」
泣きそうな葵の頭を撫でる。
「...じゃあ、何で...?」
顔を上げる葵。
どくん、と胸が高鳴る。
涙をいっぱい溜めた瞳に、
俺はしぶしぶ答えを出した。
「...襲っちゃうから」
「...えっ?」
恥ずかしい......
最っ高に恥ずかしい!!
頭から湯気が出そうだ。
恥ずかしすぎてクラクラする。
「だから...今これ以上お前といると、
お前を襲っちゃうんだよ。
俺はお前が卒業するまで、
手は出さないって決めてるから...」
葵は目をぱちくりした後、
火が付いたように真っ赤になって、
そして、
優しく
笑ったんだ。

