ある日、私が1人で理科準備室の前を
通りかかったとき。
先生との約束があるので、
立ち寄らずそのまま通り抜けようとした
......その時。
「じゃあね、先生!差し入れ食べてよね!」
そう大きな声で言いながら
準備室から飛び出してきた人がいた。
同じクラスの、橘花音(たちばなかのん)だった。
男子によくモテて、
性格も悪くなく、
可愛い花音。
......先生のこと
好きなの??
差し入れって何??
どういう関係??
先生がもう来るなって言ったのは、
花音と会うため??
モヤモヤが胸を渦巻き、
勝手な被害妄想に
気付けば涙を流していた。

