「なぁ」
「......ん?」
段々まどろんできたのか、
葵は俺の胸の中で甘えた声を出した。
「キス、したい?」
「...っえ!?」
ガバッと顔を上げる葵。
「俺とキス、したい?」
かぁぁ、と再び赤くなる葵。
「それは...」
「したくないなら、いいけど」
俺が意地悪く言うと、葵は小さな声で、
「したい...」
と呟いた。
面白くて、
「何がしたいの?」
と聞き返す。
葵は頬を膨らまして俺を睨んだ後、
「キス」
と小さく発して、うつむいた。
「誰と?」
「だからっ!先生と!」
恥ずかしさがMAXなのか、
葵の瞳が潤んでいる。
...ちょっとイジメすぎたか。
「合格。」
俺はそう囁いて、
しっかりと唇を重ねた。
何度もキスを繰り返すと、
葵は夢中で俺の首に腕を回してきた。
......コイツ、
意外とエッチだな?
くす、と笑う。
キスの合間に聞こえる葵の吐息に、
胸が高鳴る。
キスだけでこんなにも胸がいっぱいになる。
こんなにも満たされる。
初めて出逢ったな。
こんなにも、
愛しい人。

