「...今日ね、告白されたの」
思わず息を呑んだ。
「村上将太っていう人でね...
今日はサッカー部の試合を見に行ってたの。」
村上......
あぁ、サッカー部のエースとして有名な、
あの村上か。
爽やかでモテるらしい。
「将太はいつも仲良くしてる5人の中の1人でね、
将太の気持ちにも、ホントはちょっと
気付いてたんだ」
『将太』
...葵がそう男子を呼び捨てにするだけで、
子供っぽい嫉妬が胸を掻き立てる。
葵がモテるのは分かってたが、
実際にこうなると、焦る。
落ち着け、俺。
「そうか...それで?」
「気付いてないフリ、してたの。
友達の関係を壊したくなかったから...
でも、結局将太を傷つけた」
優しい葵。
相手が仲の良い友達ってことも
あるとは思うが、
他の女子だったら、馬鹿にして笑うか、
気持ち悪がったりする子も多い。
葵を好きになった男は振られても
好きになったことを後悔しないだろう。
そんな気がする。
「ごめんね先生...」
「何でお前が謝るんだよ」
「だって...怒った顔してる」
情けないな、俺は。
「怒ってないよ。ただ...」
「ただ...??」

