『どうした??顔が赤いぞ?』


『ちょ、ちょっと風邪気味だから!!ま、またね。』


『えっ??おぃ待てって……はぁ。』

ガラガラッ

バンッ


教室の扉の閉まる音が、
廊下と伊河の心に虚しく響いた。



『……クソッ…何で言えないんだよ…』



その日、伊河が教室に入る事はなかった。