「何話してんのかな?」
「う~ん」

帰ったと見せかけて、ジュンとハルを見つめていたのはもちろんミカだ。


そして同じようにジュンとハルを見つめるふりをしながら超至近距離でミカのうなじや小さめの耳を見つめていたのはもちろんヒロシだ。

危険だ。


「ねねね何でもするって言ったよね」


ミカは腐女子全開のところを見られてしまったのでもうすっかり友達気分だ。

危険だ。

「言ってたじぇ」


ミカの脳内はパラダイス。

ああしてこうしてひんむいて着せてくわえさせて持たせて読ませて歌わせてくわえさせて。


ていうのは無理でも。
うんうん、そうしよそうしよ。

「ねえミカたん」
ジュンとハルはまだ立ち話をしている。
「何かな?」

「妄想聞いたげるから帰ろうじぇ」

「えっ聞いてくれるの!?」


「ある程度までですが。」