「ひげ生やしてたか?」 「いえ、ひげはないです。 『えー、○○であるからして~、えー、○○である』っていうのが口癖の先生ですよ」 私は、増田先生の低くて太い単調な声を真似てみせた。 それを聞いたとたん、 「ククッ、ああ、わかった。 あの親父か。 おまえ、うまいなー」 北見先輩は吹き出しながら褒めてくれた。 よほど私の物まねがツボだったらしく、先輩はいつまでもクスクス笑い続けてる。 そんなに似てたかなあ。 褒められて悪い気はしないけど…… と、そこまで考えて、気づいた。