すると、突然、後ろから、ポンッと丸めた問題用紙で頭をたたかれた。 「きゃっ、いったーい!」 私は頬をぷーっと膨らませ、あとから電車に乗り込んできた北見先輩を振り返った。 北見先輩はニヤニヤ笑っている。 もうっ! 北見先輩につかみかかって問題用紙を取り返そうとしたら。 「……孝太郎?」 後ろからかけられた声に驚いて振り向く。 「あっ、北見先輩のお兄さん!」 うわっ、恥ずかしいとこ見られちゃった! ばつが悪くて、うつむき気味に会釈し、そっと北見先輩の方をうかがった。