クスクス笑いながらそんなたわいない会話をするうちに、 父とのことで尖っていた気持ちはいつの間にかほぐれていた。 『まあ、冗談はさておき。 聡美、映画行こうぜ! マサは恋愛映画なんて絶対ヤダって言ってたから二人でさ……な、いこーよ?』 「ああ……、映画ね……」 どうしよっかなあ。 オクと話してると、ラクだし楽しい。 奈津はああ言ってたけど、こうやって電話で話してても、オク、別におかしいとこなんてないし。 ……大丈夫でしょ。 「うん、いいよ!」