救助隊が飛び込む。 僕はただ、暖かい手が沈んだ位置を、静かに眺めるしかなかった。 叫びたいのに、声がでない。 逃げ出したいのに、足が動かない。 助けたいのに、……………勇気がない。 数分後、救助されてきた暖かい手の持ち主は、 ………天貝先生だった。 「…………先…生…?」 もう一度、先生の手を握る。 あの暖かい手は、もう冷たくなっていて。 僕を導いてくれた手は、先生の手だったんだ。