それだけ言ってそっぽをむいて、それからの会話はなかった。 帰り際、そっと立ち上がってこっちを向いて、 「風邪引くなよ。」 とだけ言って、丘を下っていった。 掴めないって言葉がしっくりくる男。 でも、なんだか嫌いじゃない。 そんなイメージを持った、名前も知らないこの男。 「お前、忠告してやったのに。」 「うるさい…」 私が風邪を引いて行った病院で、不本意な再会をはたした。