騒がしい中、
人が ごちゃごちゃ多すぎて
たしかに、これでは
輝樹がいたとしても
気づかれる事はないような気がする。
っていうか、明らかに30人どころの人数じゃない・・・・

そのほとんどの人が、
番号交換や、アドレス交換しているのを目の前で見ると
ナンパ以外にも
こういう出会いがあるんだと改めて思う・・・・

そんな人達を前に
私と亮くんだけは
ひたすら 食べ続けている現状・・・

思わず 笑ってしまいそうになる。

そんな私に気づき

「何、そんなニヤけて
タイプの男でも見つけた?」

「違う違う、何か
みんな頑張ってるのに
私達、ひたすら食べてるなぁ・・って思ったら
おかしくなってきちゃって」

「あははは、たしかにね~
ある意味 二人だけの世界ってやつ?」

二人だけの世界って・・・・
まぁ・・・間違ってはない気がするけど・・・

「おっ、久保見っけ。」

「え?輝樹!?どこ?」

「春菜ちゃん 目悪い?」

「う・・ん?
良くはないけど・・」

「あー、じゃあ
見えないかなぁ・・・
あっちの端っこ」

かなり離れた
指差す方向を見るけれど
まったく見えない・・・

「春菜ちゃんが見えないなら
久保に見つかる事もないかもね」

そう言われると安心だけど・・・
輝樹の姿が見えないのは
少しだけ・・・
残念かもしれない。