「だから…とりあえず殺していいかな…?」


僕は言葉が出なかった。
なんと理不尽な話だろう。
自分の部屋に戻って来ただけで、僕は殺されなければならないらしい。
当然断固拒否である。


「嫌ですよ!!なんであなたが来る部屋間違えただけで、殺されなければならないんですかっ!」


「し、仕方ないじゃない!たまには間違えることもあんのよ!」


「とにかくゴメンです…僕はまだ死にたくない」


「うん…本当にゴメンね…魂はなるべく天国にいくようにするから…」


死神は無責任なことを言いながら鎌を持ち始めた。
冗談じゃない。
こんな理不尽なことで死んでたまるか。
僕は死神から鎌を取り上げようとした。


「ちょっと!!何すん…のよっ…!」


「こ…これは没収し…ます…!こんな物騒なものっ…!」


グググ…と二人で力ずくで鎌を取り合うかたちになる。
意外と力が強い…。

でも、負けてたまるか。