目を覚ました聡は、時計の針を見た。午前八時。


テンションが上がっているせいか、早く起きてしまった。


布団から出た聡は、着替えて近くのコンビニへ向かった。


歩いている途中、聡は綾にメールを送った。


『おはよう。なんか早くに目が覚めちゃった。』


『おはよう。どこ行くの?』


『コンビニに、パンを買いに。』


コンビニに着くと、パンコーナーには竜太の姿があった。


「あれ?竜太?」


聡が声を掛ける。


「聡?どうしたんだよ、こんなに早く?」


「なんか目が覚めちゃって。お前こそどうしたんだよ?」


「俺もだ、目が覚めた」


二人は満面の笑顔だ。


「それにしてもめずらしいな、コンビニでお前に会うなんて」


ポケットに手を突っ込みながら聡が言う。


「そうだな。ばったり会うのは初めてかもしんねぇな。……じゃあな、今日の練習、遅れんなよ!」


「おう!」


と、竜太はコンビニを出た。


聡もジャムパンを買うとすぐにコンビニを出て、家に向かって歩きだした。


『竜太の奴、あれから綾とのメールのことは触れようとしないよ。』


『どういうこと?』


『今触れて、またややこしいことになるのが嫌なんだろ。まぁ、別にいいけどね。』