30分後。

「バイバイ。美佳!」

菜摘が叫ぶ。私よりひと駅先で降りるみたい。

「バイバイ菜摘!また明日。」

「うん!じゃーね。」

「行くぞ。」

浩介が言う。

「うん。」

浩介と歩いてるふたりとも無口だ。

「ねえ。」

私が切り出した。

「なに?」

「手つないでいい?」

「おう。」

って言って手を差し伸べてくれた。

初めてコウのぬくもりを感じた。

あったかい。。。

「美佳んちどこ?」

「えっ。あっ。ここ。」

「マジで?!俺んちそこの角曲がったとこ。」

「マジ?!そんなに家近かったんだ。」

「今まで合わなかったのって多分俺が秘密の近道使ってるからだ。」

「秘密の近道?」

「うん。今度教えてやるよ。てか明日から一緒に登下校しない?」

「うん。じゃあ。またあし。。。」

言いかけたところでコウにキスされた。

柔らかくて優しいキスだった。

もう熱くてとろけそう。。。

コウの舌が入ってきた。

「んっ!」

バンバン!コウの厚い胸板をたたく。

「ぷはっ。。。」

「ゴメン。」

「いいよ。こんなの初めてだから。。。」

「もしかして、今のファーストキス?」

「うん。」

ちょっと恥ずかしい。。。

「そっか。それにしてもうまかったよっ。じゃあ明日美佳んちの前で待ち合わせなっ!」

って言って走ってった。

みるみる顔が赤くなるのがわかった。

唇に残るぬくもりを感じながら家に帰った。