「あたしの王子様は何処だーっ!」 さっきまで人はたくさんいたはずなのに、もう人はいない。 それをいいことに……いや、いたとしても叫んでただろうけど。 あたしは大声で叫んだ。 誰もいない教室。 妙に声が響く。 「王子……様?」 突然聞こえてきた声にビクッとなる。 恐る恐る振り返ってみた。 飾ってない薄い茶色の髪に、細長い身体。 目は少し切れ長だけど大きくて、スラッとした鼻。 やばい、出逢っちゃったよ。 あたしの王子様に。