森の中……。
暗い……。
ここは、どこ……?


私は目を開く。


「起きた?」
「か、らい……?」
「そうだよ」


あれ……?
私、ここ知ってる……。
この人も……知ってる……。


「大丈夫?」
「……うん」


ホントは、あんまり大丈夫じゃない。
だって、混乱して……頭がおかしくなりそうだもん……。


「じゃあ、素直にそう言うんだよ?」
「えっ……? 何で……?」
「僕には心が読めるんだ。舞華もなんだよ?」
「そう、なの?」
「うん。それより、素直に言わなきゃいけないよ? 強がらないで。僕等は双子でしょ?」


『僕等は双子でしょ? 舞華』
『うん♪ 華雷』


昔の記憶……?


「何か、思い出した?」
「うん……。でも、まだわかんない……。霧がかかって……なにも見えないの……!」


私の目からは何故か涙が零れる。


「大丈夫だよ」


そう言って、私を抱いた。


「えっ……?」
「大丈夫、どんな事があっても僕は、絶対に離れたりしないから……」


その時、全てを思い出した。