ピンポーン

『俺だよ、俺。』

いつもの決まり文句、
私にとってはオレオレ詐欺にしか
きこえない挨拶をする雅人。



ガチャ


『入って、
 ─今日は気合いいれたから!』


『──この前、砂糖と塩
 間違えた女が料理
 出来るのか???』

『うっ。』

いつもいつも雅人は
痛いところばかりつく。


──ホントひどい。

けど大好きな私は
いったいぜんたい何なんだろう?



馬鹿かな?結論があっさり
でてしまう。


『それより俺のカッコは?』

キラキラとめを輝かせる雅人。


───バンパイア?!



『──カッコいいと思う。』

『思う。は余分、カッコいい!』

ムッとしながらそんな
言葉をはく。

『そーですか。』

『そーですよ。
 あ、遅くなりました決まり文句


 トリック・オア・トリート!』

『お菓子にハンバーグが
 ありますよ?バンパイアさん』

きいてもいないのに和訳
しはじめる雅人。

『意味は……。。
 お菓子くれないと
 由芽にイタズラするぞ。』


ドキンっ。


──何ドキンって
なってるんだ、私??


『紅茶いれるから。
 ドア閉めてね。』

『ノリが悪いなー。』


私、イタズラされたら
きっと勘違いしちゃうもん…。。



〜〜//な、何考えてるんだ、私。




必死で冷静を保ち
キッチンにむかった。