うちがホースを持って、美久が蛇口を回す。 「いくよ」 美久のその声でホースから水が出てきた。 そのまま、コスモスに向ける。 雫がきらきらしている。 「あ、花恋。おーい」 うちの横を通り過ぎる遥香ちゃんと繭ちゃん。 手を振られたから振り返す。 「ねぇーなんかね、英斗と直輝がケンカ?してたよ」 繭ちゃんが突然言った。 「え、何それ。なんで?いつ?」 なんで?ケンカ? あの2人が? 「わかんないけど、すごい怒ってたよ」 「ちょっと行ってみる」 うちはホースを捨てて走り出した。