その日も桜が風に揺れていた…
「ねぇ、なおきぃ。“ケッコン”ってしってるぅ?」
「ケッコン?」
「うん。ママがね、言ってたんだよ。 ケッコンすれば、なおきとずぅーーっといっしょにいられるんだってぇ!」
「そーなの!? じゃあ、どうすればケッコンってできるの?」
「うーん…ちゅうすればいぃんだよ!きっと」
「ちゅーぅ?」
「うん!!だから、めぇつぶって。いくよ」
チュ・・・
「…ケッコンできた? かれん」
「わかんない」
「ケッコンって20才になったら、おっっきーーお城でちゅうするんじゃないのかな?」
「あっ!かれん、それテレビでみたぁー。白いきれえなの着てた。じゃあ、20才になったら、おっっきーお城でちゅうしよおね!!」
「うん、わかった」
「かれんの言ったことは、ぜぇぇぇったいなんだかんね!!やくそくわすれたら、なおきのこと、だいっっっきらいになっちゃうからね」
「うん、やくそく!!」
そう、約束したのに…
ごめん。
僕おぼえていないかもしれない…。
でも、もし。
君が覚えていてくれているのなら
僕と結婚してください―--。