Cygnus

「この前の事で
少しお話したいんですけど
今…いいですか?」



「ああ。
いいよ。何?」


互いの鋭い
射るような視線が絡み合う


「俺…頭悪いんで、
河野さんの言った意味が
わからなかったみたいです。」



「は?」


「彼女の事
諦めたりしません。

過去とか関係ねーし。俺は俺だから。

邪魔してもいいですよ?
河野さんには…負けませんから。」



新井さんを好きな気持ちは
譲れないし
諦められない


河野さんは
ゆっくり腕を組んで
メガネを外した


整った鼻梁がより強調される

そして
自嘲ぎみに笑って言う

「やってみろ。」


その大人な余裕を振り払うように
俺は河野さんに背を向けて

その場を後にした