ある日、猫は1人の男と出会った。 男と接するうちに、 猫はその男に何故か安心感を覚え、 その男をとても気に入った。 「xx、」 暇さえあれば男の名前を呼んで、 相手をしてもらう。 愛に飢え、何人もの飼主を 転々とした猫は、 初めてその男だけが 側に居ればいい、と思えた。 そうして男の側に居るうちに、 猫は男の闇を見た。 それは猫がどう足掻いても、 どうにも出来ないもので、 哀しみと同時に男を酷く愛おしく思った。 そして、「男を愛したい」とも思った。