なつめの条件とは…



『生物と数学は苦手だから、この2つは手伝えない』



と、いうものだった。



『自分のはやったけど、実は自信ないんだよね』


と言うなつめに、さくらは母性本能をくすぐられたが、何とか心の内にとどめた。



「でも、なつめにも苦手ってあったんだね!!」



「人間だもの、苦手あるに決まってるでしょ!!…さくらったら、私を何だと思ってるの?」



「なつめは私の親友兼恋人だと思ってる!!」


(…何でもできる宇宙人って思ってたなんて言えないッッ!!)


さくらは内心で絶叫していた。



「…でも、さくら。生物と数学の宿題どうするの?」



「…うーん、どうしようか…」

「……」



もはやこの2人には、“自力で何とかする”という考えはないらしい。



「…誰かに教えてもらえればいいんだけどね〜…」


「……それだァアア!!」


「さ、さくら…?」


さくらはいきなり立ち上がり、ケータイを持って部屋から出て行った。



「……どうしたんだろう…」



この時、なつめはさくらの宿題戦争にかける熱意を、身を持って知ることになるとは夢にも思わなかったのだった。