空と山が、オレンジ色に染まる。一通りの少ない民家の片隅に、その小さなうどん屋はある。 「それで河原、また入院したのかよ。」 「うん。まぁ入院したの1日だけだったけど。」 「今年の夏は、暑かったからなぁ。へぇ〜。」 大学の時から、よく食べに行っていた小さなうどん屋。ここのうどん屋は、安くて美味しい。藤谷が教えてくれなかったら、俺はここのうどん屋を知らなかった。