「和佳、ビール飲む?」 「うん。じゃあ、そこに置いといて。」 和佳は、吸っていたタバコで、テーブルを指した。 「うん、じゃあここ、置いとくね。」 開けた窓から、冷たい12月の風が入ってくる。その風が、和佳のショートヘアの髪の毛を揺らす。 「じゃあ、私、あっち戻るね。」 背を向けようとした時、 「ゆい、何かあったの?」 和佳は窓を見たまま、去ろうとした私に話しかけた。 「ううん、別に・・・。」 「・・そう。」 開いた窓に煙を吐く。 和佳は、それ以上聞かなかった。