「覚えてないです・・・。」


助手席で、幸恵は泡まるけのお茶を見つめている。


「新しいの、買おうか?」


「いえ、いいです。」


笑いながら、幸恵はペットボトルをバッグにしまった。

和樹が探していたタバコは、中身のない箱だけがあった。