――――― 3年後 ――――――― 「おじいちゃん、早く良くなって下さいね。」 〝ポコポコ〟 と元気に動くお腹にお父さんの手を導いた。 「動いておる。 動いとる。 」 お父さんが喜ぶ。 この頃、少しだけ視力が戻ってきたみたい。 目を細めて確認しようとする。 「この子が生まれる前には退院してもらわないと。 おじいちゃんにはいっぱい子守りしてもらわないと。 」 お土産にもらったリンゴをむきながらお父さんに話しかける。 「そうだな。 頑張らなきゃな。 」