向こうは気がついてないみたい。 それはそれでよかった。 なんか色々と面倒になりそうだから 背は高そうで、 顔も整っているからかさっきから ちらほらと女子の声が聞こえる やっぱり少しだけだけど、 逞に似ている… そして彼はゆっくりと 口を開いた 「 S高校から来ました。 萩原琢磨(ハギハラタクマ)です 」 ―――時が止まった気がした。