メランボス



短剣の鞘から伸びている紐を自分の体にかけて、メラは立ち上がりました。


小さな体です。


一歩進むだけでも重い短剣のせいでよろめいてしまいます。


しかして、メラは諦めずに前だけを見続けました。


“届けるんだ”


それが自分が唯一できる弔いだと、メラは転んでも進みます。


何日もかかりました。

雨の日が多く、濡れた毛皮が重く、泥だらけになりながらもメラは主がいた村に向かいました。