泣くこともできない、泣き続けても意味もない。 弔うべき人がいない悲しみがメラの心に突き刺さります。 メラは思いました。 せめて、主の役にたてることはないかと。 思って、思いついたことがあります。 アクタイオンが持っていた小さな短剣。 これを彼の家族に届けようではないかと、メラは思いました。 きっとアクタイオンの家族は未だに帰らぬ人の心配をしているはずです。 せめてもの償いに――アクタイオンの死を皆に知らせてから死のうとメラは決意しました。