“これは面白い。かの有名なメランボスがキツネとなったか” 「キュー」 おおいぬの言葉が分かるのはメラだけ。狩人たちはレラプスがキツネに噛みつくのを今か今かと待ち望んでいました。 “主はどうした” 「キュー……」 “主を殺したのか” 「キュー」 “静かに死にたいなど言語道断だ。死ぬな、メランボスよ。風に聞いた俊足の四足(しあし)を失うのは惜しいし、そなたはまだ死ぬには早すぎる” 「キュー、キュー」