メランボス

殺した者が顔見知りと知ったときのあの悲しみ。


メラはそれを彼らに味合わせたくないと逃げたのです。


いくら一介の犬に過ぎぬとも、彼らがメラを主同様に可愛がってくれたのは他でもないメラ自身が知っています。


その上でメラは彼らに殺されてはならないと走りました。


｢待て！｣


まさかメラがキツネにされたとは夢にも思わない狩人たちは追いますが、なかなかメラは捕まりませんでした。


その日は暗くなり狩人たちは諦めて帰りましたが。


｢あんな俊敏なキツネは初めてだ｣

｢神様に頼んで捕まえてもらうしかない｣