(一) 「こいぬ座というのはね、自分の主をかみ殺してしまったメランボスのことをさすんだよ」 「こいぬの癖して、ずいぶんと凶暴ですね」 肌寒い中、一枚の毛布を二人で共有している私たち。 彼が夜空を見上げながら言ったことに素直な感想を一つ。 素直な感想は彼のツボに入ったらしく、面白そうに笑っていた。 「まあまあ、これにはわけがあってね。主はその時、鹿の姿をしていたんだ。アルテミスという女神の裸を見てしまった罰でね」 「それはまた酷な話ですねー」