「あたし、殺しちゃったんだよ
お父さん、多分もう生きてない・・・
どうしよう拓、あたしお父さんまで殺しちゃったよ」

拓が持っていたはずの傘が道端へと転がる。
途端に雨に濡れ出す二人。
呆然として、何も言える様子がない拓。
雨音だけが耳に残って、しつこいくらい。

多分、もうあたしたちは一緒に居ちゃいけないね。

真実はすぐに暴かれる。
人殺しの14歳の友達なんか、拓が悪く言われちゃうでしょ?

大切なものを全部守りたかっただけなのに
どうしてそれを奪おうとするの?
傘なんてもう意味がない。

守ってくれる人は居ない。

どこにも居ない。