と同時に、部屋へと駆け上がる。
そして服を並べて、どれを着るか迷う。
何着か体に当てていると、携帯が鳴る。
『今出た』とのメール。
『分かった』と返事を打ち、服に着替える。

拓とはあれから一回も会っていなかった。
家の雰囲気が変わってしまったからだ。
母は毎日泣いて、体調を何度か崩した。
その度、満月が看病をした。

兄が亡くなってからそろそろ四十九日が経つ。
あっという間の時間だった。

急いで階段を降り、ブーツを履く。
けれど何かを忘れてしまったことに気づき、持ったものを確認すると、案の定一つ足りないことが分かった。
拓に用意していたプレゼントを。

もう一度部屋へと入り、プレゼントを持つ。

すると、玄関の鍵が開く音がした。
階段を上ってくる、床が軋む音。
父だ。
出て行くか迷うが、時間がない。

大きく深呼吸をし、ドアノブに手をかけた。