12月24日、その日がやってきた。
満月の14才の誕生日であり、クリスマスイブ。
仲のよい友達数人を家に招いて、プレゼント交換を毎年していた。
今年は六人のクラスメイトが集まって、満月の誕生日を祝ってくれていた。

外に一歩出れば、クリスマスモード一色。
辛いこと、悲しいことがあっても忘れられるような日。

時刻は22時。
友達も家に帰り、母と後片付けをし、片付けも終わった頃。
携帯には一通のメールが届いていた。
送信者は拓。会って渡したいものがある、という内容。

不思議に思い、食器を洗う母に言う。
「お母さん、あとで少し出かけるね」
「こんな遅い時間に?大丈夫?」
時計を見るなり、心配そうな顔をする。

「大丈夫、すぐ帰ってくる」
満月が笑うと、母も安心して笑う。

「じゃあお母さんゆっくりお風呂入るから」
エプロンを脱いで椅子にかけると、母は風呂場に向かった。