ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

車は高速道路に入った。

東の空がうっすら明るくなりかけていて、そのオレンジ色と濃紺の空とのグラデーションが綺麗だった。

「私、こんな時間に車に乗ってるのは初めて」

そもそも車に乗った経験がほんの僅かなんだけどね。

「そう?」

「し、慎司さんは?」

「俺は時々あるよ。遠いコースでゴルフの時とかね」

「ゴルフをやるんですか? じゃなかった、やるの?」

「ああ。君、いや、望愛は?」

「やった事ないで…ないよ」

「そうか。ところで望愛の趣味は?」

「趣味は…読書と映画鑑賞、よ」

「そういうのって趣味って言うかなあ。他にはないのか?」

「ない、よ。あ、お酒!」

「あはは。それも趣味とは言わないなあ、普通は」

そう。私って昔から無趣味なんだよね…