「それは嫌」

「でしょ?」


私のカルボナーラと、由佳里のリゾットが運ばれて来た。

それをフォークでクルクルやりながら、阿部さんの事を考えた。

阿部さんは私をどう思ってるんだろう…

阿部さんは私に微笑んでくれた。1回だけだけど。

頭を撫ででくれた。オデコに触ってくれた。

鈴木さんに触られたのが脚だけだと知った時、『よかった』と言っていた。

でも、私に恋人がいてもいなくても、『まあいいや』と言った。

阿部さんの気持ちが分からない…

私がパスタをいつまでもクルクルしてたら、

「考え過ぎちゃダメよ。行動あるのみ!」

と由佳里に言われた。

「うん、そうだね」

「ところでさ、今度の連休って何か予定あるの?」