店員さんが来て、生ビール3つとカシスウーロンを頼んだ。

さっきから由佳里と杉下さんの目付きがおかしい。
由佳里はジトーって感じの目で、杉下さんは狐につままれたみたいにキョトンとしている。

「二人とも、どうしたの?」

「佐久間さん、いいんですか? 俺がやったら、セクハラだよね?」

「おまえがやったらな。俺はいいんだ」

「あんまり見せつけないでよね」

「え? 何の事?」

「これの事だよ」

「キャッ」

慎司さんはグイッと私を引き寄せた。
あまりに自然で意識してなかったけど、私は慎司さんに肩を抱かれていたらしい。

「慎司さん、恥ずかしいから放してください」

『慎司さん?』

由佳里と杉下さんがハモった。