「うん。慎司さんは私に言い寄ったりしないし、他の男の人みたいにイヤラシイ目で私を見なかったから、普通に一緒に仕事が出来たの。要するに私に感心が無かったって事なんだけど。

そして毎日一緒にいる内に、私は自分でも気付かない内に、慎司さんに特別な感情を持つようになっていたのね。
それに気付いたのは、ある日お酒の席で、営業先のお客様からセクハラされて、私がパニックを起こした時だったわ」

「まあ! 何をされたの?」

「太股を触られただけよ。でもすごく嫌で、あの時の事がフラッシュバックして、後は何がなんだか覚えてないの。慎司さんから聞いた話だと、私は泣き叫んでその場を逃げ出したらしいの」

「そう…」

「その後慎司さんが優しくしてくれて、私をアパートまで送ってくれたんだけど、私はその時に慎司さんが好きなんだって、気付いちゃった。