ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

私は玄関に入ると、「ただいまー」と大きな声を出した。

すると奥からパタパタパタとスリッパで小走りに歩く音が近付き、小柄なお母さんが出迎えてくれた。

一年ぶりに会うお母さんは、白髪が増え、実際の年より更に老けたように見えた。

「ああ、望愛。早かったのね? 夜になるって聞いてたから…」

「すみません。道が思ったより空いてたものですから」

そう言った慎司さんを見て、お母さんは眩しそうに目をしばたいた。

「お母さん、この人が電話で話した阿部慎司さん」

「望愛の母です。望愛がお世話になりまして…」

と言ってお母さんは慎司さんに深々と頭を下げた。

それを見て慎司さんは恐縮したみたいで、「いえいえ、こちらこそ。今日は突然にお邪魔をしてすみません」と言い、お母さんに負けないぐらいに深くお辞儀をした。