ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

「ね、どうかな?」

と杉下さんが言ったので、由佳里に目で『断って?』と言ったんだけど、なぜか由佳里は躊躇するので、仕方なく自分で断る事にした。

「この席に4人座るのはきついですから…」

「それなら、店員に頼んで席を移らせてもらおうよ?」

「こんなに混んでるのに悪いですよ。また今度にしませんか?」

「いや、せっかくの機会なんだからさ…」

なおも食い下がろうとする杉下さんだったけど、もう一人の男にグイと腕を引かれていた。

「おまえ、シツコイと嫌われるぞ」

その男の声は、低くて落ち着いた感じの響きだった。

「いや、しかし…」

そこへ店員さんが通り掛かったので、すかさず私は彼を呼び止めた。

「ちょっと、いいですか?」