ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

「式はいつ挙げるんだい?」

「まだ決めていません」

「そうか。なるべく早く挙げた方がいいぞ。俺達みたいな長過ぎた春なんて、ろくな事がない」

あ、そうか…

明子さんは24の時に勉さんと付き合い始めて、去年という事は31か32だから…

結婚するまで7〜8年って、長いなあ。実は明子さんも、慎司さんへの想いを吹っ切るのに時間が掛かったのかも…

「本当はもっと早く子供を持ちたかったよ」

「あ、おめでとうございます」

「ありがとう」

慎司さんがまた機嫌を悪くすると嫌だから、明子さんの妊娠には触れないようにしたのに、勉さんから言われてしまった。

「姉貴は悪阻が始まってるみたいなんで、いたわってやってください」

「おお。元々あまり丈夫じゃないしな、十分気をつけるよ」

「お願いします」

「君達も早く作れよ」

「はい」

『はい』? 慎司さんが『はい』って言った…。

演技と分かってはいても、私は顔がカーッと熱くなるのを止められなかった。