ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

1階へ下り、お手洗いを出ると慎司さんが待っていてくれた。

「行こう。たぶんこっちだから」

慎司さんに肩を抱かれて歩いて行くと、お母様の声が聞こえて来た。

そこは、ちょっとしたパーティなら出来るんじゃないかと思えるほど広い広間で、テーブルの上には美味しそうな料理がたくさん並んでいた。

「まあ、仲がいいわね?」

お母様に言われて恥ずかしかったので、慎司さんから離れようとしたら、逆に慎司さんにグイッと引き寄せられてしまった。

何か慎司さん、態度が変わった?

「すみません、お手伝いもしないで…」

「いいのよ。少しは疲れ取れた?」

「あ、はい。おかげさまで…」

やだ。私が寝てたのばれてるみたい。

「慎司、お父さんに紹介して?」

「ああ、分かってる」

慎司さんの不機嫌そうな声を聞き、私は余計に緊張してしまった。