ツンデレ美女の恋愛事情~新・素敵すぎる上司~

「お、おまえ…」

慎司さんは愕然とした顔をした。やっぱり、図星なんだ…

「余計な詮索はするな。おまえは何も考えず、ただ恋人のふりをしてればいいんだ」

そう言って慎司さんは私に背を向け、車のトランクからさっさとバッグを3つ取り出した。

せめて一つぐらいは持とうと私が手を出したら、「いいから」と言われた。

慎司さんの後ろをトボトボ歩き、家の中に戻ると、慎司さんは応接間とは違う方向へ歩いて行った。たぶん慎司さんの部屋に向かってるんだと思う。

「慎司さんの部屋って、どんななの? 昔のままなの?」

「おまえは応接間に行っててくれ」

「え? でも…」

「少し一人になりたいんだ。頼む」

そう言われたら付いて行くわけにもいかず、私は一人で応接間に戻った。