朝、いつものようにうるさい音に起こされる。 「夢…」 まだだるい体を起こして、額に手を当てた。 久しぶりに見た叔父さんは、昔と変わってない。 吸い込まれそうな瞳で俺を見て、変わらない笑顔で笑っていた。 ハンガーに掛かっている制服に手かけ袖を通す。 俺は昨日の夜、灯にメールを打った。 一緒に帰ろう。 渡したいものがある。 と…。 このときの俺は前に良樹に言われた忠告を忘れていた。 気をつけろ。 そう言われていたのに。