黒光りした外車の中で、今日の出来事を思い返していた。

手にはおかんが書き残した手紙。

「はぁ・・・」

ついつい溜息が出ちゃうよ。

溜息ついたら幸せ逃げるのに・・・。

でも今更吸い込めないし。

そんなくだらないコト考えてると。

「花音お嬢様、着きました。佐伯邸でございます。」

「・・・。」

もうすっかり辺りは暗くって、佐伯邸の門のランプがぼんやり光っている。

「神谷、ただいま戻りました。」

『かしこまりました。開門を許可します。』

変なインタ-ホンみたいなのと喋ったら・・・

門が勝手に開いた・・・(゜ロ゜)!!

「では、花音お嬢様。」

「だから、お嬢様って呼ぶな!!」