今、自分はどんな声を聞いている?
あぁ、なんて汚い声
黒い声
醜い声なんでしょうか
とある学校の
とある教室の隅っこに座っている
とある少女は机に肘をつき、
手で顔を覆っていた。
「いい娘ぶってんじゃねーよ」
2つくくりの片方の髪を引っ張られる。
「メールもデンワもしないケータイなんて要らないな」
逆さまになったかばんから、
白のケータイが落ちてきた。
持ち上げて、開いて、また落とす。
そして踏む。
何度も。何度も何度も何度も。
意味もなくリズムを刻んでいるかのように聞こえてきた。
もう液晶なんて、
見るも無残に割れている。粉々に。
また新しく作った授業のノートも、
かばんからバサバサと落ちてきた。
駄目じゃない、出てきたら。
ほとんどのページがまだ真っ白なノートたちが、
ビリビリと音を立てて破られた。
そして、そのわたしの頭の上に降ってきた。
教室は楽しそうな声に埋め尽くされている。
わたしだって笑いたいの
大勢の人に囲まれたいすに座って、
目を伏せたままで、独り
「大丈夫、大丈夫。ねぇ?」微笑んだ
